美樹×真鶴

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美樹×真鶴

ザーザー降りの雨の中、私は水玉傘を差しながら水溜りを避けもせず真っ直ぐ歩道を歩いていた。 まだ外に出てから5分も経っていないのに、ローファー内に水は浸透し傘を差しているにも関わらず制服にも鞄にも雨跡が付いてしまっている。 雨は嫌いではないけれど、濡れない様に傘を差しても結局濡れてしまうこの行為が無下にされている感じがどうにも釈然としないから否応にもテンションが下がってしまう。 それだから、水溜りを避ける事は中学生の頃からやめてしまった。 いっそ差す事その物を諦めてしまってはどうかと試みていたのだが、制服を何着も持っている訳でもなし生乾きで登校するのは気持ち悪く、高校生になった今では髪と化粧が崩れるのが嫌なので結局傘を差す事に戻っていた。 それにしてもこの傘の柄はどうにもチカチカ目に痛い。 赤の生地に白のドット、まるで某人気ネズミキャラクターを連想させざるを得ない水玉模様。 いくら女子とはいえこれは私の趣味ではない。 だってこれは、昨夜泊まった男の家で借りパクしてきた物だから。 どうせあのチャラ男の事だ、この傘も私と同じ一夜の女の忘れ物だろうから別に支障はないだろう。     
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