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淘汰
コンビニの前。
俺の前にショウとヒロシが膝まずいた。
お釣りを受け取った神聖な俺の右手に2人の手がまとわりつく。
俺からあの子の感触を奪い取ろうとする。
「ちょ、こら……何すんだよ。俺の余韻を邪魔すんな!」
「いいじゃねぇか、俺たちにも分けてくれよー」
「いやいや、分けるとかじゃねぇだろ!ったく」
「俺達の呪いかかるまで続けてやるぞ……」
「おいおい、勘弁してくれよ……」
ゾンビのように両手を前に出し何かブツブツと呪文を唱え始めた。追い回してくる2人を振り切り、俺はショウに尋ねた。
「あ、そう言えば……この後、噂はどうなってんだ?」
正気に戻ったのかメガネをくいっと上げて、答え始めた。
「選ばれたら次は……待つんだよ」
「………待つ?」
「そうだ。店内であの子に認められるまで、ひたすら待つんだ。その後は知らない。噂はそこまでだ。」
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