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東都大学生殖医療センター
東都大学は大きな大学で一つのマチと言われるほど大きい。
正規の教職員と東都大学病院の看護師のスタッフだけも一万人近くいる。ここの正規でない様々な人や学生もいるので三万人はいるだろうといわれているが、誰も正確なことは知らない。
スグルは自分は三か月に一回血液内科に受診していたので、別棟にある生殖医療センターのことは全く知らなかった。
生殖医療内科の受診室で大泉氏と妻の有里と自分と三人が、これからクジ講師と受診するために待っていた。
そこで、中学生のとき一緒で、秀才と誉の高かったナガタ君とたまたまあった。
聞くとここの生殖医療内科で助教をしているという。
自分の事情をナガタ君に話すと「大丈夫。ここは世界でもトップレベルの遺伝子編集による生殖医療をしているから」といった。
ケツトモ病の遺伝子を除去して正常遺伝子を挿入、その後「賢者の遺伝子」をいれるといったことは世界でも例がなく、どうやるんだろうといっていた。「何か秘伝でもあるのかな」と何ともこころもとない返事で終わった。
そうこうしているうちに、スグルたちの順番が回ってきて、クジ先生と話ができた。
クジ先生は寄付金についていきなり、大泉氏に「どのくらい出せるか」と尋ねた。
大泉氏は「寄付金ならいくらでも先生のいいように、小切手を渡しておきますから、後日、大泉宛に送っていただければと」ときな臭い会話をしていた。
クジ先生は「うちは何でもやるよ」といい、「二つぐらいなら簡単だよ」と軽口を叩いていた。
スグルはいったいどんな怪物ができるんだと懸念し、有里に注意を促し、「やめよう」といったが有里は聞きもしない。
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