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スグルは有里の母親の涼子さんのことはその明るい性格で気さくなところが気に入っていた。
「義母が来て、たいへんだろう」というスグルの友達には、「ううん、きにならないよ」といえることができるほどだ。
有里の出産は、二人の子どもたちが逆子ということもあって、帝王切開でおこなうことになった。
出産の日は決められていて、この日なら海外の学会好きのクジ先生もいるからといって、その日の午前中の二番目となった。
予定日の予定時間に分娩室から出てきた。
本当に真っ赤かで「赤」ちゃんだ。
「オギャー、オギャー」と元気な声で二人が泣いている。
雑誌やテレビでみる出産の感動シーンとは、かなりかけはなれているな思った。
「おれの人生こんなもんよ」と自分で自分を慰めた。
出産当日は、スグルの両親と有里の両親と有里の姉と弟もかけつけ感動の瞬間を共有しあった。
子どもたちの名前は女の子は華里となづけ、男の子は卓里とした。
何でも有里のお母さんの涼子さんの崇拝するありがたい神様からのお告げでこの名前にしたそうだ。
華里はお母さん似で、卓里は父親のマモルに似ているようだ。
ふたりを知る知人からはよくそういわれる。
卓里のほうは遺伝子検査をするとケツトモ病の遺伝子は駆逐されたようで、スグルは安心した。
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