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二人のこどもは、しばらく母乳を必要としていた。
有里の方針で断乳はしないという、
だから結構大きくなっても、母乳をのんでいた。
二人もいるから一度に二人も抱えられないので、アカタンタンポンで買った搾乳器で母乳をとっていた。
有里も「たくさん母乳がでてお乳が張っていたいのよ」といって頻回に搾乳していた。
結構な量だった。冷凍庫には有里が産生した母乳のパックが5~6個ストックしてあった。
スグルがいるときは、赤ちゃんには哺乳瓶に分けた母乳を吸わせて、もう片方は有里が直接手で抱えて吸わせていた。
無心に吸っている赤ちゃんをみて、「これ美味しいのかな」と有里に尋ねた。
自分で試してみたらというので、「本当にいいのかい」といいながら
口をとがらせて有里の赤ちゃんがすっていないもう片方のどどめ色のお星さまに近づていくと、
「本当に馬鹿、馬鹿、私、今そんな気分じゃないのよ」と足でおいかえらされた。
というわけで赤ちゃんが今飲んでいる哺乳瓶を一時的にかりて、ふたを開けてごくりと飲み干した。
小学生三年生のとき、シャボン玉を作るということで、石鹸水を作り、あとで間違えたことがあった、
最初の印象は正直「まずい、あの時と同じ石鹸水のような味がする」
この味はどうやら食べるものや本人の体調などに変化することが分かったが、
基本的には「まずい」の一言だった。
「免疫にいいのよ、免疫グロブリンがいっぱいはいっているから、風邪もひきにくくなるわよ」と有里がいうので、冷凍庫に凍っているやつをと溶かし、冷たいまま飲んでみた。
舌が冷たさで鈍感になっているせいもあり、こんどはあのまずさは消えた。
というわけで、当時は朝食のとき母乳を飲んで出勤していた。
年齢が三歳になりようやく会話らしいことができるようにになった。
ある日、家族四人でMHKスペシャル人体の秘密という番組をみていたとき、画面上でお母さんのお腹にいる胎児が放映していた。
その時、守里が突然、これはおかしいといいだした。
「ママのお腹の中は真っ暗なんだ」
「ママの声も聞こえたし、パパの声も聞こえたよ」といった。
これが胎内記憶というやつかと思い、黙ってきいていると
「それにね」
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