〔七〕修行の開始

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 朱理、ここだけの話だぞ」 「うん」 「誰にも言うなよ」 「うん」 「特にお母さんの前では、一切思い出すな」 「うん……」 「本当に出来るか?」 「たぶん……」 「…………………」  叔父さんは疑わしそうに、わたしの顔を見た。  そんな顔したって仕方ないじゃないかッ。言わないのはまだしも、思い浮かべるのなんてコントロール出来ないよ。 「まぁ、仕様がないか。  淋しかったよ。今まで面倒見てくれたお姉ちゃんが居なくなったんだから。  出て行く時は泣いて嫌がったし、その後も何度も淋しくて泣いた……  って、何だよその顔は?」 「い、いえ、別に……」  しまった、感情が顔に出た。 「でも、恨んだ事なんてないな。  むしろ、今は出て行ってくれて良かったと思ってる」 「何で?」 「だってそうだろ?  もし、叔父ちゃんのために家に残ったとしたら、お母さんに返しきれない借りが出来ちまう。  家を出たから、お父さんとも出会ったし、朱理たちも生まれた。  幸せになれたんだ。  叔父ちゃんも、お前たちに会えて嬉しかったし……爺さんもそれは一緒だ」 「だから、お母さんが出て行って良かった?」 「ああ、結果オーライって事だな。     
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