56人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日、朝早く起きて駅までゆっくり歩いて行こうと思い、下に荷物を持って降りて行った。
そこには、母さんと父さんが起きていた。
母『おはよう、朋希。今日、出発するのよね?』
朋希『おはよう…母さん、父さん。そうだよ、今日まで兄さんに黙っててくれてありがとう。僕は兄さんに言わずに行くよ。だから、母さん達が言ってよ。僕は寮で暮らすと。』
朋希『後、今までありがとう。僕はずっと邪魔者だったのに16歳まで育ててくれた事、感謝します。ありがとうございました。これで桃也だけが息子だと胸を張って生きていけるね。』
朋希『それでは…"奥様"、"旦那様"さようなら。』
二人とも驚いていた。僕がこの家族と縁を切った事を切り出したのに気づいた からだ。
父と母の事を"奥様""旦那様"だと呼んだのは初めてだけど、僕の心の中ではずっと思っていて、伝えたかった事を口にしただけだ。これは無意識だ。
昔から、僕は家族からも親戚からも距離を置かれていたのは気づいていた。兄さんは皆から好かれていたから、僕の間に距離が開いているのは気づかないだろう。
だって、兄さんがいる時は仲がいいように振舞っていたのだから、面倒くさい奴らだ。
でも、今日で終わりだ。やっと親戚と両親は邪魔者を追い出せただから楽に暮らせるだろう。九条も兄さんとゆっくり付き合えるよ。
僕は皆の事を捨てた
そして、悠大の所へ電車で向かった。悠大が待っていると思うと心が明るくなった。これで九条と兄さんにも会わなくて良くなる事が僕にとっては嬉しい限りだ。
最初のコメントを投稿しよう!