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まだ未練は残ったままだ…。
次の日、僕は九条に連絡をした。
真守「もしもし、北原か?」
朋希『そう!ねえ、桃也さんに番号教えたの?教えたなら、言ってくれるかな。凄く困ったから。』
真守「ごめん…。桃也にどうしても言いたい事があると言われて、番号を教えてしまった。本当にすまない。」
朋希『惚れた弱みだから仕方ないけどさ、まだ付き合ってるんなら告白は嘘だったんだね。』
真守「嘘なんてついていない。本当に別れているんだ、これだけでも信じてくれ。」
朋希『信じるもなにも、僕には関係ないよ。後、もう僕からかける事は無いから。』
真守「それは…番号を教えたからか?嫌だ!お願いだ。電話して欲しい。声が聞けるだけで嬉しいんだ。あの日別れた後、桃也と付き合ったけど何かが足りなかった。桃也を求めたが心に穴が開いてしまったみたいに。桃也と付き合って1か月の時に気づいたんだ。北…朋希の優しさに惚れていたのに、俺はお前に告白したのが間違いだと思い…桃也に告白して、朋希とはなかったことにしたんだ。馬鹿だよな。今更気づいたって朋希はもう俺の前に表れなくて、あの家からも縁を切り、苦しんでいる時に側に入れなかった事が悔しかった。俺は1人だけじゃなく2人も傷付けてしまった。こんな俺はゆるされないよな。でも、俺は朋希が好きだよ。あの時に言えなかったけど、今なら言えるんだ。朋希が好き、愛している。」
僕はあの日枯れたと思っていた涙が出てきた。だって、九条と付き合っていた時も告白をしてくれた時も言わなかった"好き"を今聞けたんだ。
満足なのに、僕はまだ欲しいモノがあるみたいだ。
朋希『…そんなの信じないよ。だって、電話じゃ気持ちが伝わらないし、嘘かもしれないし、僕の目を見て言わなければ通じないよ。』
真守「分かった。今から会いに行く。学園の最寄り駅で待ってて、すぐ向かうから。」
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