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横の物置が内側から勢いよく開き、誰かが出てきた。
咄嗟に扉を避けたものの、体勢を崩した私は後ろに向かって倒れ込む。
掃除機の棒は手からすり抜け、衝撃に身構えたがいくら待ってもフローリングに身を打つ痛みはやってこなかった。
ぎゅっと閉じていた瞳を開ければ、目の前には心配そうな美形の顔があった。
「大丈夫か?」
一瞬フリーズした後に、
「わっ!?!?」
跳ね起きた。
抱きしめるように受け止められていたので、その腕から逃れて後ずさると、どんっと行き止まる。
慌てて振り返ると、さっきの声の主であろう輝く金髪に青い瞳の青年にニコッと微笑まれた。
仲間も美形か、この美形不審者共め!
と、心の中で毒吐きながら逃げられないこの状況に焦りを抱く。
「そんなに警戒しないでください、お妃様。
私はアルバーニ様の第一補佐官を務めています、レオンハート=A=スカイフォードです。」
流暢な日本語で、日本人に見えない青年に挨拶をされ、跪いた後に手の差し出された。
え、どーしたらいい?
てか、アルバーニって誰?
あの、美形不審者その1のこと?
私が困惑していれば、勝手に手を取られて口づけされた。
思わず手を引っ込めてごしごしした私は悪くない。
傷ついた顔なんて私見てない。知らないもん。
「おい、レオ。邪魔だどけ。」
というか、なんで敬われてるの私は?なんで?何この状況?
じっーとレオンハートと名乗った美形不審者を見つめていると、レオンハートの後ろから伸びてきた長い脚によってレオンハートは飛んで行った。
痛そう。
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