プロローグ

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咄嗟にレオンハートを目で追うと、わしわしと頭を撫でられた。 「それにしても、妃様はちっせぇーなぁ! 俺の半分くらいじゃねぇかぁ?」 わしわしと動く手を振り払う。 失礼な男に文句を言おうと見上げれば、ゆうに2mは超えているであろう大男だった。 「なっ!? あ、あなたが大きすぎるんじゃないですか!?」 「あはははは!それもあるなぁ! 妃様、俺はアルバーニ様の筆頭護衛官兼王立騎士団第一隊隊長のダルベルト=ガーデリダだ。 ダルとでも呼んでくれ。」 そう言って豪快に笑う大柄で筋肉のがっしりとした茶髪の男。綺麗な紅い瞳をしている。 「触るでない。 此奴は我の妃だ。我だけのもの。」 不意に腕を引かれ、抱きしめられた。 背後で唸るように紡がれた言葉にイラっときた。 「さっきからキサキキサキと、なんですかキサキって! それに私はあなたのものじゃありません!!」 背後を睨みながら足を思い切り振り上げて、後ろの変態だった美形不審者その1の脛を蹴り上げた。
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