四、忠誠、山波の愛し方

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かといって、僕には警察に駆け込む勇気もありません。 先生、お願いです。 雅には僕は留学したと言ってもらえませんか? あずみ君がよくなったら僕はここからいなくなります。 そしてもう二度と如月教授の前にも雅の前にも現れません。」 「それでいいのか、君は谷中君のことを・・・」 「好きでした。大好きでした。初めて心から安らげる人と穏やかな時間を過ごせました。 今まで耐えて来て、神様が与えてくれた僕へのご褒美だと思いました。 如月教授と雅が抱き合っているところを見た時、またか・・・と思ってしまいました。 また、裏切られたと思いました。 けど、試されたんです。本当の愛にふさわしい人間かどうか。 僕はその試験に落ちたんです。本当の愛にふさわしい人間ではなかったんです。 こんなひどいことを平気でするような人間には雅に愛される資格はないんです。」 隼人はあずみの顔を拭きながら涙を流していた。 小さな背中を震わせ、あずみの体をさする姿から言い知れぬ深い後悔がひしひしと伝わった。     
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