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「隼人君。私に君のお兄さんのいる場所を教えてもらえるね。
私は如月を迎えに行く、そして君を縛る過去のしがらみも切ってくるよ。
安心して谷中君のところへ行きなさい。愛される資格も試験もないよ。
谷中君は君のことが好き、君は谷中君のことが好き。それでいいじゃないか。
それ以外、何もない。愛することも、愛されることも自由なんだよ。」
「ありがとう。先生。
僕のことをこんなに気にかけてくれる人がいるなんて本当にうれしです。
これ、兄のところからもってきました。あずみ君をこんな風にした薬です。
如月教授を取り返すのに使ってください。本当にごめんなさい。
先生、どうかご無事で。」
「ありがとう。君は絶対幸せになるんだよ。」
「はい・・・・」
山波が肩に優しく触れると、隼人はにっこりと笑った。
顔は腫れあがっていたが、そのにっこりと笑った顔は、やっぱりあの小さくて仔犬のようにかわいい隼人だった。
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