四、忠誠、山波の愛し方

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山波はまだ狼狽えていた。すべてが解決できるほんとうの答えを探していた。 「山波先生。どうしたんですか?いつもの先生らしくないですよ。 考えながら行動する、そんな先生がかっこよかったのに・・・迷っている姿なんて見たくないです。 いま出せる答えは1つしかないですよ。」 山波はハッと思いついたように教室を出た。 「待ってください。僕も行きます。」 「俺は学長のところに寄ってから出る。おまえは荷物を持って車をまわせ。」 「わかりました。」 山波の気分は爽快だった。 なぜ、そんな簡単な答えを出すことに迷っていたのか、自分自身もわからなかった。 学長には約束を週明けに変更するように願い出た。 山波は覚悟をしていた。如月を無事連れ戻したうえで、自分は処分を受る。 決心がつかなかったのはただ一つ、緑山のことだった。 緑山を守らなければ、そのことばかりを考えてなかなか決心がつかなかったが、 緑山から片時も離れたくないのは自分のほうだった。 山波はすでに鶴屋が運転席に居るのに押しのけて乗り込んだ。 「鶴屋、運転は俺がする。」 「いえ、僕がします。」 「おまえの安全運転では今日中につけない。」 「無事につかなければ意味がないじゃないですか。」 「うるさい。どけ。」 「いやです。先生は疲れているから、少し寝てください。近くまで運転しますから。」 「・・・そうか、じゃあたのむ。」     
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