213人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫か・・・」
如月は隼人に駆け寄ると、隼人は眉のあたりが切れ、血を流していた。
それでも笑顔を見せ、
「先生、ごめんなさい。僕、先生を裏切ってしまいました。
あずみ君をこんな目に合わせて・・・僕、取り返しのつかないことをしてしまいました。
先生にもご迷惑をおかけして。本当にごめんなさい。」
「ああ、わかった、まず、手当てしてもらおう。」
「僕は大丈夫。あずみ君を見てあげてください。」
隼人は如月の手を取り、あずみのベッドのそばまで連れて行った。
あずみは仰向けに寝ていたが目を開けていた。
如月が覗き込むとうっすらと笑ったような気がしたが、何を見ているのか、自分とは焦点が合わない。
「あずみ・・・あずみ・・・」
何度か肩を揺らしてみたが望楼としたその様に変化はなかった。
「あずみ君は今、ちょうど薬が効き始めたころなんですよ。
明日のお昼頃にはごく普通のあずみ君になりますよ。大丈夫。」
「大丈夫って・・・おまえなんてことしたんだ。」
「あれ如月さん。泣いているんですか?やめてくださいよ。
あなたの冷ややかに人を見下したような顔が僕は好きなのにな…」
最初のコメントを投稿しよう!