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「あ……っ」
慌ててベッドカバーを手繰り寄せ、身体を隠す三井を見つける。
「何だ、いたのか。ケーキ買ってきたから、今から合格のお祝いをしようぜ」
「う、うん……」
すぐ行く、と言いながらもぞもぞとほかの何かも布団の下に引っ張り込んでいる。
「遥、何か隠しただろ」
赤い顔で視線を泳がせるところを見て、蓮見に全く無関係なものでもないらしいと直感した。
「見せて」
ベッドカバーを剥ぐ。
そこに現れたものを見て、蓮見はぽかんと口を開けた。
「あ、あの……、これは……っ」
「は……、るか……?」
黒いシースルーのストッキングに覆われたしなやかな足。同じ光沢を放つ、やや濃い色目のコスチュームに身を包んだ三井の姿がそこにあった。
「バ、バニーガール……?」
しかも、男性用の。それも、あきらかに卑猥な用途の……。
吸い付くようにフィットする生地の下から、ツンと尖った乳首が存在を主張している。足の間にある膨らみも、すっかりその形状をあらわにしていた。いったいどういう素材でできているのだろう。かすかな疑問が頭をよぎるが、そんなことはどうでもいい。目は釘付けになったまま、動くこともできなかった。こんなにいやらしい生きものは、見たことがない。
「やばい……。鼻血でそう……」
「た、たかひこ……」
不安そう眉を下げる頼りない姿に、頭がくらくらした。
「遥……、そんな格好して、無事でいられると思うなよ」
「え……」
「襲う。今から、めちゃくちゃに襲うから」
「え、え……」
「覚悟して」
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