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「今日は何をするんだ?」
画面を食い入るように見ていると、スタジオの裏から数名のスタッフが慎重に何かを運んでくる姿が見えた。透明なガラスケースとなんらかのの液体が入ったガラスの瓶が大量に。ガラスケースの大きさが人一人が入れるぐらいに大きく、そして特殊強化ガラスの蓋付きだった。
なんらかの液体を運んでくるスタッフの慎重さを見て、何をするのか、察した。
「さーさー。運ばれてきました。スタッフの皆さん、間違っても頭から被らないに気をつけてくださいね。代わりはいないのですから」
司会者が毒舌交じりのジョークを言うと、スタジオ内でクスクスと笑い声が聞こえた。
数名のスタッフによって運ばれてきたガラスケースがそれぞれ、舞台にいる彼らの前に運ばれる。スタッフは分厚いゴム手袋に作業用のマスクを被ると、細心の注意を計りながらガラスケースの瓶の中身を開けた。一つ、一つの瓶の容量は少なく、数名のスタッフが総出で注いでも時間が掛かる。
その間に、司会者は舞台で準備が整うまで舞っている彼らに質問をしていた。
「今日はなかなかですが、自身のほどはどうですか?」
「何がこようと大丈夫です。むしろ、心配なのはモザイクがちゃんと、働くかどうかです」
彼らの中でも一番若い肉体を持つ青年が笑いながら言った。
「その点は大丈夫です。最新の技術でしっかり、隠しますから」
「ならいいのですが」
そんな調子で司会者は次から次と質問を投げかけては冗談を言いながらガラスケースの液体が溜まるのを待った。
ガラスケースに全ての液体を入れられると、スタッフは殻になった瓶を段ボールに詰め、台車に乗せるとそそくさとその場を離れてしまう。
「それでは、本日もいってみましょう!レッツ・ショータイム!」
司会者が変わっても、そのかけ声だけは昔となんら変わらなかった。思い返せば、子供の頃は、その言葉にいつも興奮していたな。
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