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太郎はひとり寝の寂しさを満喫していました。 恋人が過ぎ去り、2年の月日が流れていたのです。 「お前、オレの心境を切々と語るな。  オレはこれが好きなんだよ。  これが自由で丁度いいんだ」 でもこの言葉は太郎の本心ではありません。 そう、太郎はイヤらしい行為をしたいと思っているようなのです。 「お前、いい女だからな。  だができないことはわかっている。  添い寝だけでも十分自慢できる」 太郎は毎日毎晩オカズにしています。 「できれば、その服、脱いでもらいたいんだけどな。  だったらさらに興奮する」 太郎のために協力したいはずなのですが、それは無理な話なのです。 ですが太郎はチャンスを得たようです。 友達モードから一気に夫婦モードが利用可能となったのです。 「えらい極端だな…  間の恋人はどこに行ったんだ?」 太郎は夫婦になることは望んでいないようです。 ですので、恋人は省略されてしまったようです。 「一番のお楽しみを省いて欲しくないんだけどな。  しかもかなり陰険な行為だな…  だが、その場合、今と状況が変わるのか?  夫婦も恋人も似たようなもんだろ…」 太郎はただただ肉体を欲しているだけのようです。 ですので、100年後の夫婦として復活されてしまったのでした。 「おい、冗談だろ?」 太郎は浜に打ち上げられて、眼が覚めました。 その隣には、干からびた人魚が横たわっています。 「実体になっても解説風なんだな…」 海に返していただければ、きっと恩恵があるでしょう。 「わかったよ。  だがこの身体、まともに動かないぞ。  …130才か、オレ、長生きだな」 太郎は人魚を抱き、海にその身体を浸けたのです。 なんと不思議なことに、人魚は若さを取り戻したではありませんか! これはまさに太郎の優しさの恩恵でしょう! 「性欲が全くないことだけが非常に心残りだな。  お前は海に帰れ。  オレは丘で暮らそう。  もう長くはないだろうけどな」 なんと! 太郎の足元に腹を向けたカメがいるではありませんか! 「わかったよ。  助けてまた竜宮城でどんちゃんさわぎして日々を過ごすことにするよ」
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