プロローグ

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「ここはさ、」 「ん?」 「ここはさ、私のお気に入りの場所なの。」 「へぇ、ひどく『さっぷうけい』な場所が好きなんだね。」 「違うよー。夜にね、ここに登って月を見るとね、とってもキレーなんだよ。」 「それって『くどきもんく』ってやつ?」 「多分違うと思うな。それはともかく、ここはいいところだよ。星もキレーだし。」 「月がキレーなところは星もキレーだろ。それに夜がいくらよくても、昼が駄目じゃ意味ないぜ。」 「意味ならあるよ。私はここがどれだけいいところか、たくさんの人に知ってもらいたいからね、ここでその方法を考えていたんだ。」 「ふーん。『げんばひゃっぺん』ってことか。ちなみに僕は『せんでん』よりも、ここを昼でも『みばえ』するところに作り替えた方がいいと思うけどね。」 「それはいい!その通りだね!じゃあなに建てようか。」 「なんでいきなり『とちかいはつ』なんだよ。僕らに出来ることをしないと。」 「僕ら?もしかして、手伝ってくれるの?」 「僕ら子どもでも出来ることをしろってことだよ。悪いけど手伝わない。」 「残念だなぁ。うーん、私に出来ること私に出来ること……そうだ!」 「?」 「あれを増やそう!たくさん、たくさん咲かせよう!そしたらきっと、昼だって素晴らしい場所になるよ!」
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