氷漬けの心

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「そうですか。それはお辛かったですね。結莉花さん、もしかして朝起きれないだけじゃなく午前中はずっと具合が悪かったり、よく立ちくらみがしたりしませんか?」 神梛さんにそう尋ねられ私は息をのんだ。神梛さんが言ったことは全て私に当てはまったのだ。 「やはりそうですか。多分それは結莉花さんが努力していないのではなく[起立性調節障害]という病気だと思いますよ。この病気は思春期の女子が発症しやすい病気で症状は先ほど申し上げた通りです。私の知り合いも[起立性調節障害]を患っていましたのですぐにわかりました。」 神梛さんにそう言われて私は心の中のもやもやとしたものが晴れた気がした。今まで努力していないということだけじゃ納得できなかった症状の名前がわかったのだ。 「ありがとうございます!病名がわかっただけでとてもすっきりしました!」 「それはよかったです。[起立性調節障害]は主に低血圧によって引き起こされる病気なので病院へ行って血圧を上げる薬をもらうだけでもだいぶよくなると思いますよ。それから、ストレスも関係してきますのであまりストレスをため込まないようにしてくださいね。」 神梛さんの言葉に私は大きくうなずき席を立った。 「色々とありがとうございました。ラベンダーティーもとてもおいしかったです。家に帰ったら母とよく話してみます。本当にありがとうございました。次に来るときにはきちんとお金を持ってお客さんとしてきます。」 そう言って私が木製の扉を開け温室を出ると神梛さんが手のひらサイズの包みを渡してくれた。 「これは先ほどのラベンダーティーの茶葉です。ラベンダーの花を使ったクッキーも一緒に入れておきました。ラベンダーの花言葉は[許し合う愛]や[期待、幸せがくる」ですのできっと全ていい方向に動きますよ。」
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