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「あくまで憶測にすぎないが、その鈴を持ってるせいで鞘が反応したんだろう」
「……」
神威がそう説明してはくれたが、信じるにはあまりにも奇抜すぎる。。
「ふむ、そうなのかもしれん。あの鈴は世莉に御守りとしてずっと持たせていたからな」
「ちょっとおじいちゃん、そこに同じ鈴が600円でたくさん売ってるよ?」
ちゃんと祈祷済の御守りやら鈴やら破魔矢なんかは、神社の貴重な収入源だ。勿論、世莉は家族ということでタダで尊からプレゼントしてもらった。しかも不良品だ。
「いや、その鈴は売り物とは違ってな。ご神体と対になる鈴、というかその中は玉鋼が入ってるんだよ」
玉鋼? 聞いたこともない単語に、世莉はポケットの中から鈴を取り出した。
手のひらにある鈴は、鳴りはしないけれどどう見ても普通の鈴だ。
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