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「あ、エビも鶏のから揚げもしちゃったんですが大丈夫? もしかして精進料理じゃないとダメとか?」
「……仏教徒じゃないんで」
「あぁ、そうだったわね。私ったら勘違いしちゃって」
てへっと笑う真理に彼は困ったように小さく笑う。こんな対応の違いにますます面白くなくて、もう一つ唐揚げを頬張った。
「でも神主さんもあなたみたいに若い方もいらっしゃるのねぇ。うちの父みたいに枯れたおじいちゃんばかりかと」
「真理、枯れたとはなんだ! そもそも神職に就くに当たって年齢など」
「あ、ドレッシング忘れちゃってるわね。待ってて?」
興奮気味な尊など完全スルーして真理は席を立つ。
世莉が思うに、真理は神社の娘としてはかなり奔放な性格だ。信仰心だって一般の人より低いかもしれない。いつか『お賽銭くれないとお願いも聞いてくれないなんて、神様ってケチよねぇ?』なんて言ってたことを思い出した。
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