巫女になるとかならないとか

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「……彼女か」  彼の口から溢れる言葉に思わず「え?」と聞き返すと、彼はゆっくりと世莉を見た。 「その欠片、清浄すぎると思ったんだ。盗み見するほどお前は欲にまみれているのに」 「……」  さて、どこから突っ込んでどのタイミングで謝ればいいのか?そもそもそれを根に持って自分には悪態をつくのか? と言いたいことがありすぎて反論も出来ない世莉の代わりに尊が口を開いた。  「真理がどうかしましたか?」  おじいちゃん、私へのコメントはスルーですか? 世莉の心の声など誰もスルーだ。 「彼女は見えざる者です」  えーと、それも一般常識としてみんな知ってることなんでしょうか? と思いながらも口を挟まないのは神威の性格をそれなりに把握しているからだろう。 「見えざる、者とは?」  けれど代わりに聞いてくれた尊に世莉はほっとした。
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