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ベッドに腰掛けたまま、外を意識してみる。
……居る。この感じは『人』じゃない。もっと禍々しくてドス黒い、すごく嫌な感じだ。しかもジリジリと近寄ってきてるのが分かる。
チリーン、チリーンッ……。
鈴は机の上にあって鳴るはずがない。だけど聞こえてくるこの音は、世莉の頭の中で、まるで警鐘のように鳴り響いていた。まるであの時のように――。
しかも今回は持ち悪いものが下から這い上がってくる感覚まである。
気持ち悪いっ!
ぞわぞわとまるで自分の中に入り込んでくるような感覚に体を丸くした。気持ち悪い、なのにお腹の真ん中が熱くなってきて、痛いわけじゃないのに胃からせり上がってくる感じ…。
パシーンッ、パシッ!
世莉の周りでラップ音が響いてる。その度に頭の中で光までスパークしてる。
コックリさんやったときだって、こんな現象は無かった。
なんなの? これ──。
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