プロローグ(あの世)

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ここは死後の世界のようだ。 「残念ですが稲葉耕治(イナバ コウジ)さん。あなたは死んでしまいました」 目の前に座る事務服の女性が何度も教えてくれる。 「あの、、、もうわかってますけど、、、」 「あらそう?なんだかぼーっとしてたから」 それはそうだ。こっちは状況整理でいっぱいいっぱいなんだから。 役所の受付のようなところに座らされている。 周りに人はいない。 「ここはどこです?」 「死後の役所のようなところです。ここで今後の手続きをします」 なるほど、やはり役所的な場所か。 と言うことはここで転生の手続きでもするのだろうか。 若冠20歳という若さで死んでしまった俺は前世はあまり良い善行を、、、と言うか引きこもりだったが大丈夫だろうか。 「ここで転生の手続きをします。えー、コウジさんの前世ポイントは2250ポイントになりますね」 前世ポイント?前世の善行で得たポイントのようなものだろうか。 それにしても2250ポイントとは結構高いのではないだろうか。 「失礼。前世ポイントとは前世でのあなたの良し悪しのポイントになります。ポイントに応じて転生する生命体を選ぶことができます」 やはりな。2250ポイントとは期待できそうだ。 「それで、俺は何に転生できるんです?」 「一番良い生命体が2225ポイントのレタスですね」 なるほど植物か。辛いな。 「あの、、、人間は、、、」 「人間には最低でも1億ポイントが必要となります」 俺はレタス以下の生物の中から来世を選択しなければならないのか。ふざけた話だ。 「ですが、コウジさん。あなたはこちらの手違いで死んだとは言え、とても幸運です。とても良い話があります」 おい。今なんて言った?
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