異世界は罪と共にあれ

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道中何度かモンスターに襲われたものの、その都度撃墜し、マシューム山のふもとへ到着した。 左の方に山道に続く山道と、正面に洞窟の入り口がある。 両者共に真っ暗で先が何も見えない。 「何も見えないぞ。どーすんだ」 「コウジ。抜かりはない」 ルルはどこかから松明を取りだし、明かりを灯した。 どや顔を決めているルル。 魔法使いとして恥ずべき行為だと思うがまぁいい。 山道の先も洞窟の先もみえない。どこまでも続いているようだ。 「まじ?山道行くとなると、これ登るのか、、、?」 「そうよ。この道はスピニッチの国道まで続いてて、山を越えるのには丸一日くらいかかるわ」 まじか。 「ちなみにこっちの洞窟の方は、交通の便を考えて両国で作ったトンネルね。スピニッチまで早くいけるけどあまり整備されてないから魔物の巣になっちゃったの。腕に自信のある冒険者専用の道になってるわ」 本末転倒じゃないか。 今回は商人の問題を解決するってことだから山道の方だよなぁ、、、しんどいなぁ。 そう言えば魔王軍四天王倒したんだし、なんか新しい技とか使えないのか、、、? 俺はふと冒険者カードに目をやった。 おっ?おぉ!? 冒険者カードにはステータス欄や魔法欄の他に、スキルの欄がある。 スキルとは魔法と違い、詠唱なしで発動することができるのだ 。 なになに? 常駐系スキル:栽培王、麻痺耐性、ルアー、不運 発動系スキル:暗視、罠サーチ、鷹の目、スキル共有、スキル譲渡 ふ、不運、、、? 取りあえず暗視は早速使えそうだな。 俺は暗視スキルを発動させた。 おぉ!!見える!見えるぞ!!! 昼以上によく見える!スキルって簡単に使えるしすげぇ! このスキル共有ってのは皆でスキルを共有できるのかな。 「おいみんな。俺のスキル共有でみんなも暗視スキル使えるっぽいぞ。ちょっと試してみるぜ」 俺はスキル共有を発動した。 「おぉ!ちょっと薄暗いけど見えるわ!コウジやるじゃない!」 「これなら安全に歩けますね」 「私の松明、、、、」 ちょっと薄暗いって事は共有されるスキルは劣化するのか。 「おい、コウジ。これ便利だけどMP大丈夫か?」 レイタスが俺に問いかける。 確かになんかどっと疲れた気がする、、、。 俺はMPを確認した。 「あ、MPほぼ無くなったわ」 冒険者初心者あるあるである。
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