異世界は罪と共にあれ

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「ちょ、ちょっと!コウジ!なんなのよもう!」 洞窟の入り口からだいぶ離れた。 追ってきてる気配もないしもう大丈夫だろう。 「ド、ドラゴンがいた」 「は?バカじゃないの?ドラゴンは世界の最果てに生息してるのよ。なんでこんな人里の近くに現れるのよ」 「知るか!いたんだよ!真っ黒で翼の生えたでけぇトカゲみたいなのがな!」 「黒って黒神龍じゃない!アホなの?バカなの?おとぎ話に出てくる伝説のドラゴンよ!」 「うるせぇ!いたもんはいたんだよバーカ!」 「なによ!このウンコウジ!」 それはやめろマジで。 「コウジ。周り見て」 ルルの一声で我にかえると、事の重大さに気がついた。 モンスターに囲まれてしまっているのだ。 しかも寝ているところを起こされたように目を血走らせている。 いや、起こしたんだろうけど。 「ちょっとウンコ!どーすんのよこれ!」 コウジだ。 「取り合えず、やるしかないだろ」 俺達はお互いの背中を壁に、武器を構えた。 「待て魔族ども!引け!」 へ? すると突然周囲の岩が音をたてて俺たちの前に集まり始めた。 「な、なんだ!?」 「岩が合わさっていきます」 集まった岩は合体し巨大な岩石に変身した。 見た目はまるでRPGの序盤の洞窟で終盤まで道を塞ぐ岩のようだ。いずれ消えるあれだ。 「なんだこのでけー岩は」 「ウンコの王様かしら?」 いい加減ウンコから離れろ。 「誰がウンコじゃ!誰が!」 ウンコもとい、岩の集合体は反転し、俺たちに向かい合った。 なぜこの表現ができるかと言うと、顔だ。岩に海苔弁当のような濃い顔がついているのだ。
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