異世界は罪と共にあれ

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「コウジ。そんなスライムなんて聞いたことないわ。これってきっと今私たちが探してる魔物の事よね?」 あぁ、恐らくな。 だが、そこまでわかってるならここからの流れはわかってるよな? 「ちょうどいいわ!私たちがやっつけてあげる!」 「なんでそうなるんだよ!!!」 ソアラはきょとんとしている。 ソアラだけでなくルルやミシュリも同じ顔をしている。 なんでこいつらはこんなにバカなんだ。 幸いな事にレイタスだけは冷静な面持ちだ。 こんなでも神は神。バカではないようだな。 「ウンコウンコ言うからウンコしたくなってきた。困ったぞコウジ」 あぁ、そうだ。こいつはバカじゃないカスだ。 「いいか?俺達のクエストは調査だ。なんでわざわざそんな恐ろしい魔物の討伐なんてチャレンジしなきゃいけないんだ」 「べ、別にいいじゃない!討伐も調査も同じよ!」 いや、全く違うだろ。 「とにかく、討伐は断る。様子を見てくるだけならいけどな」 俺の討伐には断固として行かないという姿勢に、海苔弁岩はため息をこぼした。 そして、続けて言った。 「そうか。討伐に行ってくれないならまぁいい。先ほどの魔族を再び呼び出して、今日のこの事は無かったことにさせてもらおう」 先ほどの魔物をひかせたのを見ると、魔物を呼ぶことも可能だろう。 くそっ。本性を表してきたな。 「まぁタダとは言わん。討伐に成功したあかつきには、こいつを報酬としてやろう」 海苔弁岩はどこからか人参のようなものを取り出した。 これは、究極人参か。 「どれだけ食べても再生する謎の人参だ。以前、この山に空から降ってきたのだ。この世界には色々と謎が多い」 正直行きたくない。 即死スライムとか、謎解きアドベンチャーくらいにしてくれよ。 なんでRPGの世界感に出てくるんだよ。 だが、今俺たちに断る選択肢は無さそうだ。 それに最悪逃げ出せばいい。この場さえ乗り切れれば御の字だ。 「わかった。行くよ」 「それは助かる。ちなみに俺はこの山全ての魔族を操ることができる。途中で逃げ出そうとしても無駄だぞ」 あーダメだ。おわった。 「では頼んだぞ。冒険者達よ」 海苔弁岩は合体を解き、再び岩コロに戻った。 究極人参もどこかに消えたようだ。
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