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その日、私は足取りも心も重く帰宅した。 緊張の瞬間を彼に任せて逃げた自分に罪悪感を感じていた。 もしどちらかに問題があっても、私たちの間には何の変化もないと、昨夜二人で話した。 それなりに心の準備はした。もちろん一番は、何の問題も無かったと言ってほしい。 だが、私の不安は的中した。 「ごめんな。俺、できにくいみたい。」 やはり…。 どこかで自分でなかったことに安心している自分に嫌気を感じる。 「100%じゃないよ。タイミングとか、いろいろよかったら可能性はあるって。確率は低いけど…。」
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