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あの日、彼女はとても悲しい顔をした。
「そっかあ。」
彼女は言葉を選んでいるようだった。
「じゃあずっと恋人同士みたいなもんだね。これからもよろしく。…一人で行かせちゃってごめんね。」
これでよかったんだ。
彼女は自分に原因があると聞けばひどく取り乱しただろう。
前の晩話したとき、いずれにしても不妊治療はしないと決めていた。だったら、僕に問題があることにしておこう。彼女がこの先ずっと責任を感じ続けることになるのは、あまりにもかわいそうだと思った。
「じゃ、ご飯にしよ。」
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