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頭が痛くて目が覚めた。
…ここは何処だ?
…横になったままゆっくりと辺りを見回す。
…ああ、そうだ。ここは自分の部屋だ。
…!…そうだ、仕事だ。
オレは反射的に飛び起きた。
同時に、口の中に激痛が走る。切ったのか?
気づくと、肘や膝に痣やかすり傷がある。どういうことなんだ?
テーブルを見ると、ビールの缶が2本と二人分の食事の跡。
…誰か来ていたのか?…
だが、そんなことを考えている暇はなかった。
時計に目をやると、10分以内に家を出なければ遅刻になるような時間だ。
オレは急いで支度をして、会社に向かうことにした。
倦怠感を残したまま、いつものラッシュに揉まれつつ目的地に到着、都心近くの高層ビルだ。鏡面ガラスの外装がじつによく映える。
職場のあるフロアに向かうため、またも人混みの中に身を投じるのは、今のオレには少々過酷だった。
エレベーターを降りると、自分の席の近くに見慣れた顔がある。
川合恵美。
オレの担当するプロジェクトを補佐してくれているスタッフの一員で、彼女でもある。
「おはよう」
いつものように声をかけたが、彼女はぎこちない笑みを浮かべながら軽く会釈をしただけで、持っていた書類をデスクに置いて自分の席へ戻っていった。
違和感…
…そういえば
少しずつ記憶が蘇る。
昨夜来ていたのは、彼女ではなかったか…
思い出そうとする矢先に、会社から支給されている携帯に着信があった。
プロジェクトの進捗を問う、「上」からの電話だった。
彼女の様子を気にしつつ電話応対をして、デスクに目を移すと彼女が置いていった書類が目に映った。
「ストレスチェックシート」
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