始まりの物語

14/45
前へ
/45ページ
次へ
親子が連れてこられたのは、いかにも格納庫然とした場所だった。 レイダーに大きさを合わせているからか、天井がやけに高い。 大きなコンテナや、櫓のような物で囲われ、幌を掛けられた大きな物体もある。 あちこちで作業用車両が、船のワープに備えて忙しく走り回っていた。 「どうぞ、こっちへ」 ダンに先導されたドグと、リゲルに肩車されたままのジグは ハンガーの中で大きな幌のかかった物体の前に通された。 周りには同じような物が他にも沢山並んでいた。 「おお、これですか、例の新型レイダーとは」 「そうです、ちょっと待ってください、幌を取ります」 ダンが後ろに回ってなにやらごそごそやってる間に リゲルの肩から降りたジグが、待ちきれない様子でソワソワしていた。 ばさっ グレーの幌が外れて、覆われていた物体が姿を現した。 片膝を立てた状態で、床にある取っ手状の物を両手でしっかり掴んでいた。 頭部のキャノピーが光を反射してキラリと光った。 「おおお・・これが」 「!~~~~~!!!」 ドグは感嘆の息を漏らし、ジグは言葉が出てこないのか、 目をキラキラとさせて何やら言おうとしているが、うまくいかないようだった。 「これが今回の惑星開拓用に用意された新型レイダー、[陽炎]です」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加