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親子が連れてこられたのは、いかにも格納庫然とした場所だった。
レイダーに大きさを合わせているからか、天井がやけに高い。
大きなコンテナや、櫓のような物で囲われ、幌を掛けられた大きな物体もある。
あちこちで作業用車両が、船のワープに備えて忙しく走り回っていた。
「どうぞ、こっちへ」
ダンに先導されたドグと、リゲルに肩車されたままのジグは
ハンガーの中で大きな幌のかかった物体の前に通された。
周りには同じような物が他にも沢山並んでいた。
「おお、これですか、例の新型レイダーとは」
「そうです、ちょっと待ってください、幌を取ります」
ダンが後ろに回ってなにやらごそごそやってる間に
リゲルの肩から降りたジグが、待ちきれない様子でソワソワしていた。
ばさっ
グレーの幌が外れて、覆われていた物体が姿を現した。
片膝を立てた状態で、床にある取っ手状の物を両手でしっかり掴んでいた。
頭部のキャノピーが光を反射してキラリと光った。
「おおお・・これが」
「!~~~~~!!!」
ドグは感嘆の息を漏らし、ジグは言葉が出てこないのか、
目をキラキラとさせて何やら言おうとしているが、うまくいかないようだった。
「これが今回の惑星開拓用に用意された新型レイダー、[陽炎]です」
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