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一通りの簡単な説明をドグに聞かせていたダンは、
ジグが何か言いたそうにこちらを見ているのに気が付いた。
(ふふん、そうか。まぁそうだろうな)
その気持ちを汲んだダンは、言いずらそうにしているジグに
声をかけた。
「動いてる所を見たいか?」
「!!!!!!!!!」
思っていたことをズバリ言い当てられたジグは
一瞬目を見開いてびっくりしたが、すぐに返事した。
「うん!いいの!?」
「歩かせるのはちょっとアレだけど、この場で立ち上がる位ならね」
「やったー!!」
「よろしいのですか?」
少し不安そうな顔でドグが聞いてきた。
「本当は乗せてやりたい所ですが、さすがにそれは無理なので」
リゲルの方を見ると、やれやれ好きにしな、という感じの
ゼスチャーを送ってきていた。
ダンは陽炎の前に立ち、腰の辺りに手を伸ばして何かを操作
すると胸のハッチが開き、ダンはそこへよじ登って乗り込んだ。
「常時火を入れているのですか?」
「いや、今回は殆ど未知の宙域と惑星に向かってるんで、特別に
スタンバイ状態で積み込んであるんだよ。何が起こるか解らないからな」
起動準備をしているダンに代わって、リゲルがドグの質問に答えた。
「何かって・・・ねぇ、何か起こるの?」
「そうだな、恐ろしい怪物や宇宙人の円盤とか出るかもな」
リゲルの軽口を聞いたジグは少し不安そうな顔になり、父親を見た。
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