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「大丈夫、何か出てもこのレイダーが全部やっつけてくれるよ」
「そのとおり!こいつさえあれば何も怖くない!」
リゲルがドヤ顔を披露する。
「いきますよ、少し下がっていてください」
準備の済んだダンが外部マイクで注意を促してきた。
言われた通りに親子が数歩下がったら、すぐにリアクターの駆動音が
聞こえてきた。そして機体各所のセンサーと思しき物が一斉に光って消えた。
続いて握っていたアンカーから手を放し、
独特の駆動音を伴ってゆっくりと陽炎は立ち上がった。
「ほおお」「わー!!」
感嘆と歓喜の声を上げる親子に対して、陽炎は敬礼を返した。
まるで中に人が入っているかのような、滑らかな動きだった。
「うわー、すごい!!おっきい!!」
足元から見上げると、数字以上に大きく見える。正に巨人だった。
感極まったジグは、ぴょんぴょん飛び跳ねながら、何やら喚いていた。
「これは・・・何とも頼もしい限りですな」
「だろう?」
「未知の惑星での探査というのは、とても好奇心を擽られて
ワクワクするものですが、それと同じ位の不安もありました」
「正直、妻と子供を連れてまで志願したのは失敗だったかも
しれないとまで思い始めていたのですが・・・」
「だけどこれを見たら、そんな不安は消し飛びましたよ!
こんな頼もしい護衛がいれば、何も怖くないですな!」
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