始まりの物語

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「ここまでは子供の教科書に載ってるレベルの話なので、皆知ってるだろう。  だが、教科書に載っていない、載せていない事実もある」 「切羽詰まっていた人類は、エデンへの入植の際に過去の過ちを  繰り返してしまったのだ」 「木々をなぎ倒し、生活の邪魔だからといって多数の原生動物を絶滅させ、  新たな環境に与える影響をよく調べもせず、地球から持ち込んだ化学物質を垂れ流した」 「その結果、エデンはかつての地球と同じ道を辿りつつある。  まだやり直しは出来るという科学者達もいるが、それも人々が  やる気にならないと意味は無い」 「ただ、私は過去の人達を糾弾するつもりは毛頭無い。  当時は本当に切羽詰まっていて、一刻も早くエデンを開拓し  移住をしないと、人類は絶滅していただろうから」 「今の我々があるのは、間違いなく彼らのおかげなのだ」 「では何が言いたいのかと言うと、それは、これからの我々自身の事である」 「我々はかつて地球から慌てて脱出した第一世代人類とは違う。  エデン生まれの第二世代で、故郷の星も破壊が進みつつあるとはいえ、  まだまだ健在だ。要するに時間がある」 「そう、もう同じ過ちを繰り返してはいけない!」     
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