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「何でお前がついてくるんだ」
ダンはミーティング後、ドグからの連絡を受けて指定された場所、
第一展望室へと向かっていた。
そこにダンの古くからの友人、金髪男のリゲルがついてきていた。
「いいじゃねぇか、一人で来いとは言われなかったんだろう?
わが班の班長殿がおっさんに告白されるイベントなんて、
見なくてどうするよ?」
「そんな訳ないだろうが・・・」
どうしてこいつはいつもこう能天気なんだか。
だがそのおかげで何度も救われた事があるので、文句は言えなかった。
2人は展望室に着いた。どうやらまだドグは来ていないらしい。
少し早めに出たので、彼が遅刻している訳ではない。
「おお、この場所って告白にはぴったりじゃね?満天の星空の元だぜ?」
リゲルが展望室に入るなり、興奮気味にまくし立てる。
確かに天井と壁一面がガラス張り(実際にはガラスではないが)になっていて、
星々の海が広がっている。その光景には畏怖を感じるほどだ。
「単に一番解り易くて広い場所だからだろ」
実際にこの場所は、船内の人間が待ち合わせる場所として機能していた。
元々、航行中においてのストレス緩和を目的とした場所なので、
いつ来ても結構人がいる。
「お、来たみたいだぞ」
リゲルに言われて目線を入り口に向けると、先ほどの髭面と眼鏡が目に付いた。
「いやぁ、すみません、お待たせしましたかな?」
「いえ、我々もさっき来たところです」
何だか恋人同士の待ち合わせみたいな会話をしていると、
後ろでリゲルが何か言いたそうにしていた。
内容は大体察しがついたので、ダンは無視してさっさと要件を聞いた。
「で、ご用件とは?」
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