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機密といっても彼らは軍隊ではないし、そもそもレイダーも兵器ではない。
分類上は重機、ダンプやブルドーザーと同じだ。そう遠くない将来、
民間にも広く溶け込むだろう。
それに他の部署の人間との繋がりを持つのは決して悪い事ではない。
部署は違えど、この先苦楽を共にする仲間なのだ。
そしてこの少年の目・・・昔レイダーの試作機を見た時の自分も
きっとこんな目をしていたに違いない。
そう思ったダンは少し笑みをこぼした。
「いいですよ、お見せしましょう。見せるくらいなら問題は無いでしょう」
ドグとジグの親子は揃って目を輝かせた。さすが親子、リアクションが似ていた。
「おお、ありがとうございます!ほら、お礼を言いなさい」
ドグに背中を押されたジグは、先ほどとは打って変わって明るい
表情をしていた。
「ありがとう!ダンさん!」
「どういたしまして」
背後からリゲルが背中をこづきつつ、耳打ちをして来た。
「おい、いいのかそんな約束して」
「大丈夫だ、見せるだけだし、それにあんな顔見せられて
断れるか?」
リゲルが、はしゃぐジグの方を見てから、ダンに目を戻した。
「お前にそんな父性があったとはな、意外だな」
「そうだな、自分でも驚いてる」
「いいさ、責任はお前が取るんだろ?なら俺は知らねえ」
そう言うとリゲルはジグに近づいて、しゃがんでその頭に手を置いた。
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