17/37
前へ
/37ページ
次へ
「あ、くぅちゃんおかえり!なになに?くぅちゃんあの夏目くんと知り合いだったの?」 準備室にクソ野郎を置き去りにして、授業が始める前に教室に戻ると、案の定ヒナに声をかけられた。 目がキラキラと輝いていて、興味津々です!という顔をしている。 「知らん、あんな奴」 「知らんと言うことはないだろう。少なくとも知り合いに見えたが」 「何が何でも知り合いじゃねぇ」 俺の人生から消したい人物No.1だ。 思い出したくもないし、脳内から存在を消したい。 人生の汚点だ、汚点。 「もー隠さないでよ!夏目 春久(なつめ はるひさ)くんってすごい有名なんだよ!イケメンだし、面白いし、優しいし、スタイルいいし!一部の女子からは王子様って崇められてるくらい!」 「はぁ?おぉーじぃー??」 ありえねぇだろ。 あんなん獣だ獣。 王子様だったらいきなり人の耳しゃぶったしねぇ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加