【旦那】

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彼女が寝ぼけたまま腕を伸ばしてきた。胸の中が泡泡としてくる。捕まえてハグをしてやると、ソファに座り彼女の頭を膝に乗せた。彼女はこれが好きらしい。猫のようだと思った。 私に抱きついてくる彼女は愛おしく、艶のある女の髪を何度も撫でた。 愛猫を愛でる幸せな私の中に、1つ、明らかに気にくわない色の思いがあった。 さて、ここまで担いできた、あの男は何だ。
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