第1章 命の期限

2/5
前へ
/5ページ
次へ
「大変伝えにくいのですが。このままだと、あと半年。抗がん剤を投与しても1年と言うところでしょう。」 言葉を失う。 伝えにくいと言いながら目の前の医者は淡々と話を続ける。 「えーっと。ここに見えるのが腫瘍です。頭痛の原因はこの腫瘍でした。 俗にいう癌ですね。 頭の真ん中にあって、手術で取り除いたとしても後遺症が残るリスクが高いでしょう。 それに後遺症はどこに出るか分かりません。 頭だけならよかったのですが、あなたは25歳とまだ若い。癌の進行は早く 至る所に転移していました。」 「はい。」 ドラマとかではこんな状況を突きつけられると泣き叫んだりするシーンをみるが そこまで思考回路が到達していない。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加