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そんなこんなで、紫苑の実家を訪れることになった三人。
「おい。明らかに俺の存在はやっぱりおかしいだろ。なんで結婚の許しもらうのに親友が付き添うんだよ。」
紫苑の実家の前で急に立ち止まり正論をぶつけてくる海斗。
「ごめん海斗! 私からもお願い! 一緒にいて。隆二だけじゃあハル兄に殺されちゃうよ。」
懇願する紫苑。
「いやいやそこまでいかんだろ。」
思案するも、紫苑は
「え? 確実にボコられるよ?」
だって、過去を振り返ってみても分かる。ハルは自分に彼女が出来ても紫苑への干渉をやめたことはなかった。そのことは、長年の付き合いでもある隆二も海斗もよく理解していた。
「紫苑。心配しすぎだ。俺は覚悟を決めた。例え殺されたって紫苑と結婚する!」
「ふふっ。隆二くん覚悟は決まったようだね? 両親が待っているから三人とも中に入れば?」
「「「うわっ!!」」」
「ハル兄! 何時からそこに居たの?!」
「しーちゃん久し振りだね♪元気だったかい? 隆二くんも海斗くんも久し振りだね。ふふ。僕は初めから居たよ? 君たち緊張し過ぎで周りが見えていないんだね。それに僕、そこまで非情じゃないから。ほんと君たち失礼だよね~。」クスッ。
「「笑顔が怖いからっ」」
「覚悟ができたのならどうぞ? 僕は先に行くね。かーさん! しーちゃん達来たよ!」
玄関で大きな声を上げて中に入っていくハル兄。
三人も各々の思いを抱えて紫苑の実家の門をくぐっていった。
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