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その言葉を聞いて隆二は身を正し、
「では、改めてまして。
慎太郎さん、アキコさん。紫苑さんとの結婚をお許し下さい。このような事になってからの結婚承諾の申込み申し訳ございませんでした。
私は紫苑さんが妊娠したから結婚を申し込んだ訳ではございません。
結婚を前提で付き合っているつもりでしたが、私の照れ隠しからくる不用意な発言のせいで紫苑さんに誤解を与えてしまいました。これは私の不徳とするところです。今は、分かり合えたのでこうして一緒にいますが、これから先もずっと死が二人を分かつまで紫苑さんと歩めたらと思います。祝福される結婚を望んでいます。どうかお願いいたします。私との結婚を認めて下さい。」
「隆二くん、世間では君たちみたいな人たちを授かり婚とか子宝婚て言われているよね。
私としては、娘が愛し愛されているなら反対はしないよ。例え、娘が妊娠していてもね。
反対はしないけど、あんまり良い気はしないかな? しーちゃん泣かしたんだし?」
ハル兄の父はやっぱりハル兄の父だった。
と、痛感させられる三人であった。
「その節はすみませんでした!」
「事後報告ってさ、割りと堪えるんだよね。」
「今後、そのような事はないようにいたします!」
見事な土下座。愛とは奥深いと海斗は思った。
あの隆二が謝っている。
「もう、いいよ。二人共さんざん悩んだんでしょ? 話し合えたのならこれからの人生も何か疑問あったら互いに話し合えるよね。二人で乗り越えるんだよ、これから夫婦になるんだから。海斗くんには大変お世話になったね。この二人の為に本当にありがとう。で、しーちゃん今何ヶ月なの?」
「お許し頂きありがとうございます!」
「うちの娘と幸せになるんだよ。」
「はい! 紫苑はやっと手に入れた素晴らしい女性です。私から手放す事なんて絶対にないです! もう放せません。」
ギュッと、紫苑の手を握りその存在を確認する。
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