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Side Ryu
あー。とうとう連れ出されてしまった。
めっさ怖い。ハルさん怒ってるだろうなー。だってあんだけ溺愛していた妹が俺みたいな奴とだもんな…。しかも孕ましてんだから…。俺、殺されたとしても文句言えないわ。
ヤバっ。
凹んできた。
「隆二くん。君、今幸せ?」
「え? は? はい!幸せです。」
「そう。しーちゃんは紫苑は…君から見て幸せそうに見える?」
「はい。毎日、笑顔で過ごしてます。」
「無理してるって感じない?」
「無理をしないように俺、見てます。紫苑は、人に頼ろうとしないから俺がよく見て手を貸したりします。俺、もう紫苑を傷つけたくないです。あの時、溢れ落ちていった幸せが怖かった。離れていった紫苑に俺、生きていけないって気付いたんです。紫苑が俺なしじゃいれないんじゃなくて、俺が紫苑なしじゃ息もできない。彼女が倒れたって聞いた時、心臓が止まるかと思った。その位、俺にとって紫苑は大事なんです。ハルさんは俺のこと認められないと思いますが、結婚を許して下さい。お願いいたします。」
「はい。部屋に着いた。中に入って寛いでいてよ。今、お茶を持ってくるから。あー、後。多分噛み付かないとは思うけど、話し相手になってあげてね?」
「はい?」
扉を開けた先には、俺を睨みつけるキレイな女性が座っていた。
え? ハルさん? この人はダレデスカ?
「早く入って座ったらどうなの? 貴方がしーちゃんの隆二くん? 初めまして! 私は姫野サクラ。ハルくんの未来のお嫁さんよ。」
「は、初めまして。藤阪隆二です。」
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