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僕は口をパクパクさせてその先の言葉をのんだ。
「…なのは?」
田中さんが後ろから僕の顔を覗き込もうとする。
僕は顔を反対方向に向けた。
「ひぁ!?」
田中さんが僕の耳をかじった。
背中からゾクゾクっとする。
「高輪ちゃんは頑固だなぁ。」
「…田中さんこそ、頑固です。」
「ふふ、そうかもね。」
「ぅわ!」
田中さんが僕ごと畳に横倒れした。
「俺は、頑固です。その上嫉妬深いし、エロいです。これは、最近気づいたことだけど。」
「ふっ、確かに。」
「自分だって人のこと言えないでしょ。」
僕を軽くくすぐる。
「はぁっ、やめてくださいよ!」
「高輪は努力家で、頑固で、負けず嫌いで、すぐ泣いちゃうけど、それも含めて全部、好きだよ。」
「!!」
「あと、めちゃくちゃエロいところとか大好き。」
「!?」
僕が驚いて半身起して田中さんを見下ろした。
「ふふ」と田中さんが笑う。
田中さんの長い腕が僕の首後ろに伸びて自身に引き寄せると、ゆっくり唇を重ねた。
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