9.おとなの条件

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僕は口をパクパクさせてその先の言葉をのんだ。 「…なのは?」 田中さんが後ろから僕の顔を覗き込もうとする。 僕は顔を反対方向に向けた。 「ひぁ!?」 田中さんが僕の耳をかじった。 背中からゾクゾクっとする。 「高輪ちゃんは頑固だなぁ。」 「…田中さんこそ、頑固です。」 「ふふ、そうかもね。」 「ぅわ!」 田中さんが僕ごと畳に横倒れした。 「俺は、頑固です。その上嫉妬深いし、エロいです。これは、最近気づいたことだけど。」 「ふっ、確かに。」 「自分だって人のこと言えないでしょ。」 僕を軽くくすぐる。 「はぁっ、やめてくださいよ!」 「高輪は努力家で、頑固で、負けず嫌いで、すぐ泣いちゃうけど、それも含めて全部、好きだよ。」 「!!」 「あと、めちゃくちゃエロいところとか大好き。」 「!?」 僕が驚いて半身起して田中さんを見下ろした。 「ふふ」と田中さんが笑う。 田中さんの長い腕が僕の首後ろに伸びて自身に引き寄せると、ゆっくり唇を重ねた。
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