590人が本棚に入れています
本棚に追加
「おまえら、できてんだろ?」
篠田優斗(シノダユウト)が俺の肩を抱いて耳元で楽しそうに話しかけてきた。
「は?誰と誰の話してんの?」
「わかり易すぎだから。おまえと高輪だよ。」
合コンの人数合わせに呼ばれた。
タダ酒飲めると話に乗ったが、今日は最悪な気分だった。
「あー、想像力豊かだな。俺、あいつ嫌いなんだわ。」
「へぇ、毎日一緒にいんのに?強がんなよ~」
「うるせーよ。」
昼間、あいつと先輩が付き合ってることを知ってしまった。
しかも、午後から二人で会社をばっくれた。
俺がいつも近くにいたのに。
腹がたつ。
全てが俺のものだったのに。
「お前って顔に出やすいのな。」
ムカつく。
「悪い。帰るわ。」
勢いよく席を立つと女の子たちが「えー」とか「帰っちゃうの?」とかピーピー言ってる。
うるさい。
耳障りだ。
最初のコメントを投稿しよう!