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水谷「…んで?その気になる男の子は誰なの?」
田中「タカナワリンタロウって言うんだけどぉ」
水谷「高輪?あー、知ってるよ!お前をやたらライバル視してる、あのヒョロっとしたやつだろ?」
田中「そうそう。なんかさぁ、可愛くて。」
水谷「そうかぁ?まあミチルさんを抱けなくなるほど可愛く見えるなんて恋は盲目だな。」
僕は、聞かなきゃよかったと酷く後悔した。
土岐津のいる席にそそくさと戻った。
「高輪、顔色悪いぞ?解散するか?」
「いや、だ、だ、だ、大丈夫。もう一杯飲ませて…」
ライバルだと思ってた田中さんが、僕に好意を抱いていたなんて。
僕は煽るように酒を飲んだ。
「おいおい、やめとけって!」
制止する土岐津の声も聞こえないくらい、僕の心臓が高鳴っていた。
「へくしょっ、」
寒さで目が覚めた。駅の階段で寝てしまったらしい。
土岐津の姿はなかった。
慌てて時計を見る。
終電の時間を30分過ぎていた。
「あー、もう、ふざけんなよぉ~」
千鳥足しながら漫画喫茶に向かって歩き出した。
土岐津の人でなしめ。
「あれ?高輪ちゃん?」
聞き覚えのある低い声。
「た、田中しゃん。。」
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