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「李燕も?」
「私はあまり縁談など考えておりませんわ。この生活は楽しいものですし、仕えたい方にお仕えできているのですもの」
「仕えたいって…私?」
驚いた私に、李燕はとても嬉しそうに頷いた。
「愛らしくて強くて、お傍にいてこれほど支えていきたいと思える人に出会えた事は、この上もない喜びですわ。私兄弟がおりませんから、本当に妹ができたようで嬉しくて」
「私もお姉ちゃんが欲しいと思ってたの。だから、李燕が傍に居てくれてとても嬉しいよ」
もう本当に、李燕は私の理想のお姉ちゃんだ。
「じゃあ、李燕は結婚とかしないの?」
「今のところは考えていませんわ。十分適齢期は過ぎておりますし、年を取っても良いという殿方がいれば分かりませんが」
「李燕は素敵だもの。絶対居るよ、そういう人」
言うと、李燕は少し恥ずかしそうに顔を赤くした。
「そういえば、先日の三人が明日またここを訪れたいと連絡がありましたが、いかがなさいますか?」
「あっ、分かった」
これは結構嬉しい申し出。流石に引きこもって刺繍ばかりしているわけにもいかない。それに、たまには人と話したい!
「では、明日の午前にと連絡しておきますわね」
「うん、よろしくね」
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