友達

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 けれど同時に怖かった。私の為に、紅泉が危険を冒すんだと改めて知らされたような気がした。  丁度その時、お風呂から戻ってきた紅泉が部屋に入ってくる。まだ赤い髪が濡れていた。 「それでは、僕は行きます。後はお二人で過ごして下さいね、義姉」 「ちょ!」  含みのある言い方をされて、私の顔は真っ赤になる。紅春くんはヒラリと立ち上がると、ちょこんと戸口で一礼して行ってしまった。 「どうした?」 「え? あぁ、うん。なんでもない」  とは見えないだろうな。思って紅泉を見上げたが、そこはツッコまないようだった。 「あっ、お茶淹れるね」 「あぁ」  用意してあったお茶を淹れて、紅泉に渡す。私はその傍に腰を下ろした。  思えば、こうしてゆっくり過ごすのはどのくらいぶりだろう。いや、あったことを考えればゆっくりなんて程遠いんだけれど。 「久しぶりだな」 「え?」 「お前とこうして、二人で茶を飲むのも」  鼓動が緩くドキドキと鳴る。ほんの少し染まりそうな頬を隠して、私は少しだけ紅泉に近づいた。 「うん、久しぶりだね」 「おかしなものだな。先ほどまでは大変だったのに」 「ほんと、大変な一日だったね」  考えるともう、目が回りそうな日だった。  不安、絶望、安堵。色んな気持ちがグルグルしていて、吐き気がするような不安も感じたのに。     
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