絶望の叫び

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 ぽろぽろと涙が落ちる。伝い落ちていくそれが、胸元にある花びらの痣に触れた。  途端、ふわりと桜色の光が溢れだす。それは結構な光量で周囲を照らし、バタバタと服をはためかせている。 「なに、これ!」  どうなってしまうのか分からずに紫廉を見ると、彼も一歩下がってそれを見ている。 『願いなさい』  ふと、頭に声が響いた。私はその声に耳をすませる。けれど、声は一度きりだ。 「春華さん、龍玉が貴方の願いを聞き入れようとしています」  毅然とした瞳が私を見ている。紫廉は強張った顔をしていたけれど、一つ確かに頷いた。 「貴方の願いを、龍玉に伝えてみてください。強い願いは、必ず届くはずです。それは貴方の願いを叶えるもの。貴方の心からの訴えを、無視したりはしません」  私の願い。  傍に横たわる紅泉を見て、私は歯を食いしばった。  私の願いなんて、ただ一つ。自分よりも大事な願いが、今この胸にある。常識では到底不可能だけれど、これ以上の願いなんてあるはずがない。 「お願い、龍玉。私に、紅泉を取り戻す方法を教えて」  胸の前で手を組んで、私は静かに言った。桜色の光が更に光を増していく。どんどん、体の中を巡る血が加速するように感じた。     
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