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さて、これまでは皆と出かけてそれで一日が過ぎてしまった。
けれど、今日からはそうではない。
一日をどう過ごせばいいか、私はまったく分からずに軽くパニックだった。
「どうしよう…」
最近頑張って、文法も覚えた。簡単な手紙や本は読めるようになったし、書けるようにもなってきた。
お妃修行なるものはさっき終わった。
歩き方や所作。今日は美しいお茶の淹れ方だ。
なかなか上手に淹れられたし、終わった後も何度か練習してみた。
だからと言ってお茶ばかり淹れていられないし、腹は既に水物でタプンタプンだ。
庭の散策にでも行こうか。結構広いし。
そう思って立ち上がろうとしたところで、扉がノックされて李燕が入ってきた。
「春華様、今お時間よろしいでしょうか?」
「うん、大丈夫。っていうか、時間ありすぎて潰しに行こうかと思っていたくらいだし」
話によれば、この余剰な時間をいかに優雅に過ごすかも、お妃としては大事な事らしいのだが、私には無理。せかせか動き回りたいくらいなんだから。
むしろ掃除とか、料理とかしたい。
李燕は傍にきて、椅子に腰を下ろす。
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