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「春華さん、本日はおめでとうございます」
「紫廉!」
李燕が綺麗に着付けてくれて、私は現在紅泉の屋敷にいる。
そこに、本日結婚式を取り仕切る紫廉がお祝いを言いに来てくれた。その瞳は現在、金色に変っている。
周囲からの圧力と、何より紫廉自身がそろそろ決めなければと思う所があったらしく、新年を少し前にして見事に光龍へと変化した。
この年の新年はそれはすごいお祭り騒ぎとなったのを、今でも覚えている。こうして、事は全てなるようになったのである。
「本当に綺麗になりましたね。もう、可愛らしいなんて言ってはいけませんね」
「いやいや、今でも全然足りないでしょ」
にこやかに紫廉は言うけれど、お世辞が過ぎるってものだ。私は苦笑してしまう。
「そんな事はありませんわ。春華様、本当にお綺麗になりましたわよ」
そんな風に李燕まで言うのには、ちょっと照れてしまった。
私個人はあまり変わらないと思うけれど、周囲は私が変わったという。
確かに背は伸びたように思う。それに合わせて申し訳程度の括れが、もう少しまともになった。少し痩せたせいか、見た目は胸も少し目立つようにはなったか。
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